水道民営化の実情
一枚の葉にとらわれては木は見えん
一本の木にとらわれては森は見えん
どこにも気を留めずに見る。
それがどうやら見るということだ。
「民間企業のノウハウを活かし、効率のいい運営と安価な水道料金を!!」
そんな耳に心地よいスローガンで日本に導入され始めた水道民営化。
だが、実際のところはどうなのだろう?
水道民営化という言葉通り読み解くと、公営だった水道が、企業運営に変わる
水が「値札のついた商品」になるといことだ。
水道料金回収率99.9%を誇る日本が、わざわざどうして今の形を変える必要があるのか。
理由は簡単
水道ビジネスは儲かるからだ
それも取り仕切るのは外国資本になる
例えば外国から輸入されてくるもので、服飾品や外車や電子機器が日本に来なくなったとしても、困る人がいるかもしれないが、死にはしない。
だが、それがお水になると話が違う。
水を牛耳られるということは、命に直結する。
その命の根源である「お水」が外国の企業たちに、売られている現実だ。
最初はいい顔しながら来るだろうね
「そこに住む人々の生活向上と地域発展の為ですよ~」なんて言いながら
でもお水を買った企業がまずやってくるのが料金の改定だ。
「公正妥当な料金」から「健全な経営の為の公正な料金」という名目で行ってくるだろう。
世界の事例を見てみよう
民営化後の水道料金は、オーストラリアが2倍、フランスは2.6倍、イギリスに至っては3倍に跳ね上がっている。
それも20年ちょっとでこの値段まで上がっている
そして、水道料金が払えなくなり、困った人達が井戸を掘ろうとすると、「水源が同じだから勝手にとるな」と、井戸使用料を請求してくる。
水を求めて公園に行くと、先回りした企業が水飲み場の蛇口に使用禁止にし、最終手段でバケツに雨水をためていると、今度は一杯ごと数円徴収するという徹底ぶりだ。
これが水道を民営化した、国々で起こっている現実だ。
「ほかの国のことでしょ」なんて甘いことを思ってはいけない、その現実はもう目の前まで来ているのだから。
1990年代から本格化した水の民営化は、その後2005年をピークに減り始めて世界が
水道の再公営化に向かう中、日本は民営化をスタートし始めた。
日本は今まで、台風や豪雨や地震などの自然災害がしょっちゅう起こるため、なかなか外資が入りこめなかった。
だが、2011年3月11日。東日本大震災当日に、民主党政権は公共施設の運営権を民間に譲渡し、民間企業が水道料金を決めて徴収できるように、PFI法改正を閣議決議した。自治体が水道を所有したまま、運営だけを民間苦行に委託するという「コンセッション方式」の導入だ。
災害時に破損した水道管の修理は自治体と企業で折半し、利益は企業のもの。
これができたことによって外資は自身の復旧費用を考えなくてよくなり、金儲けだけを優先できる。
国は東日本が大変だった中、金に走った
僕の地元静岡は、2017年に国内初の下水道長期運営権を、20年契約で結んだ。
熊本県合志市、栃木県小山市も続いた。そして宮城県仙台市も確定している。
数年後、数十年後には、水は金を持っている人しか飲めなくなる時代が日本にもやってくる。目の前にはたくさんの水が流れているのに、それを飲むことができない。
日本には世界を賄えるほどの水が存在しているといわれている。
そんな大切な資源を、年末の大安売りのごとく、企業に売り払おうとしている。
2025年までに地球の3分の1の人々が新鮮な水にアクセスできなくなり、2050年には、地球は壊滅的な水不足になる
残念なことに、何事もなければ2050年までは生きている
そのときにどうだろう、自分の子供や孫たちが、満足に水が飲めない世界になっている。もちろん自分自身も。
身近にたくさんの水があるのに
これだけ自然が溢れ、水道をひねれば安全な水が飲める。
そんな国は、世界に日本とアラブ首長国連邦の2か国のみだ
ただその状況も近い未来に破綻する。
そして彼らは水道だけではなく、「医療」「農業」「教育」にも手を出そうと尽力している。
猛スピードで内側から崩されている
もう見てみぬふりはできない
ただ、この事実を知らない人多すぎると思う
僕もつい最近までは、ここまで知らなかった
こんな国だから国外に逃げるのも、ありだとは思う
「逃げるが勝ち」って言ったりもするし
でもそれができるのもほんの一握りだ
でもそろそろ目を覚まそうぜ!
僕たちはこれからも日本で生き続けるしかないんだから
次の世代に、気持ちいいパスできるようにやっていくしかなんだと思う
いま、ぼくも読んでいる堤未果さんの「日本が売られる」を読んでみてほしい。
これには、マスコミが報道してくれない裏で起こっていることを、わかりやすく書いてくれている。僕もまだ50ページほどしか読んでいないが、詰まっている情報量はすごい
これからの日本を一緒に生きていく人たちには必読書だ。
しばらくはこの本をベースにブログを書いていくと思う。
まず水面下で何が起こっているのかを知らないと、対策のしようがない
一枚の葉に気を取られていては、その木で何が起こっているのか、森全体で何が起こっているのか、見ることができない
今見ている目線を変えてみてほしい
だからこの本はぜひ読んでほしい
今の日本が何のか、未来どうなっていくのかを知るために
ここまで読んでくれてありがとう
それではまた明日